BG文理学院は堺市南区(御池台・庭代台)にある学習塾です。

  

最新情報

文理の定期テスト対策①1学期期末テスト2週間前(2025/6/12)
庭代台中学校、晴美台中学校が1学期期末テスト1週間前に入りました(若松台中学校は2週間前)。

文理の定期テスト対策はさらに濃密なものになっていきます。

定期テストに限らず、生徒たちに「テスト勉強」の話をするとき、文理では『逆算』するように指導しています。

逆算とは…終わりを起点に、前にさかのぼって計算すること(明鏡国語辞典)

その一つ目は『計画の逆算』です。

具体的には、
①テストの直前(テスト前の自習時間)に何を見返すのか
②テストの前日に何を残しておくのか
③テスト前の1週間で何を仕上げるのか
④テスト1週間前が始まるまでの1週間(テスト2週間前)に何から取り掛かるのか
この4点を①~④の順に考えていくことを言います。

もっとも、その内容は生徒一人一人の個性に合わせて変えていきます。

簡単に区分けすると、

①勉強が苦手で、平均点を超えることを目標とする場合
→テスト1週間前までに中学校の提出物を仕上げることを目標としてもらい、それが仕上がってから、わからなかった問題を中心に塾の課題を勉強してもらいます。ただ、実際には極端な勉強嫌いの場合が多いので、保護者の思い通りになかなか勉強しないので、文理が半ば強制的に問題演習を増やしていくことになります。

②勉強を義務と考えており、5科目合計で350点~400点以上を目標点数とする場合
→こういう生徒の場合、勉強をしているように保護者の目には見えるのですが、実際はなかなか点数が上がらず、400点前後でとどまります。そこで文理ではこういう学力層の生徒には中学校の提出物よりも前に塾の課題を仕上げるように指導しています。塾の課題で一通りの試験範囲を身につけてから、中学校のワークや白プリなどで確認してもらいます。そうすることでテストの結果に直結する実力が身に付きます。ただ、実際にはそれなりの点数が取れているだけに、自分のやり方を変えようとしない生徒が多いです(こういう頑固な性格も決して悪いことではないのですが…)。文理では、一人一人の生徒との信頼関係を築きつつ、その生徒の隙(スキ)をついて、「本当のテスト勉強の仕方」を指導しています。その結果、文理の先生の言うことが素直に耳に入り、納得も得心もできた生徒から順に点数が上がっていきます。

③勉強が日常生活の一部として溶け込んでいて、5科目合計で450点以上を目標点数とする場合
→実は、本当に勉強ができる子たちは、誰も「450点以上を取ろう」などとは考えていません。考えているのは「間違いを各教科10点以内に抑えて最低でも90点台を維持し100点をとる」ということを目安としています。これが二つ目の逆算、『点数の逆算』です。こういう生徒たちは返却された答案に80点台があるととてもショックを受け嘆き悲しみます。さらに2教科で80点台ともなると、絶望の淵に立たされた気分です。で、最終的に他教科の点数でカバーをして450点を超えて安堵する。こういうことを繰り返して、高校入試では天王寺や三国丘、最低でも泉陽に進学していきます。こういうことができている生徒に対して文理は強制力を一切働かせません。情報提供に徹していきます。一人一人の生徒の弱点を1問単位で把握し、「何が欠けているか」をアドバイスしていきます。たまに中学校にいる「100点なんか取らせない」と豪語する訳の分からない先生の対策も怠りません。生徒たちとともに満点を目指します。

さあ1週間前です。悔いのない勉強を…。

近畿大学 進路指導担当者対象 大学入試説明会(2025/6/10)
昨日6月9日に近畿大学の進路指導担当者を対象とする大学入試説明会に行ってきました。

説明会の内容は主に昨年度の入試結果と今年度の入試動向になります。

【昨年度の入試結果】
①18歳人口の増加に伴い、志願者が増加し難化。この傾向は現在の高3生も変わらず。
②新カリキュラム初年度のため安全志向。国公立志願者がやや減少し、年内入試の志願者が増加。
③共通テスト利用方式の志願者・合格者が増加。

【今年度の入試動向】
①一般公募推薦入試は昨年同様に学力試験のみで実施(提出書類等に変更有)。
②共通テスト利用方式の拡充。
③泉ケ丘に医学部移転、看護学部看護学科開設。

以上が主なトピックスになります。

関西の私大の場合、関関同立→産近甲龍→摂神追桃という一般的な序列があります。この中で近畿大学はこの数年で飛躍的にレベルを上昇させており、産近甲龍から一つ抜けだして、関関同立に近づく勢いがあります。大阪公立大や兵庫県立大を第一志望とする生徒が併願先として選択するケースが多くなっています。
この志願者が多く集まる一つの要因が、年内に学力試験のみで公募推薦を併願で受験することが可能であるということが挙げられます。ちなみに関関同立の年内入試は専願中心の総合型選抜となります。結果として、近畿大学を年内に合格して併願先を確保し、年明けに関関同立や国公立大にチャレンジしていくケースが、関西圏の上位受験者の典型パターンの一つになっています。

昨年度入試で、関東圏にある東洋大学で年内入試(公募推薦)での学力試験が問題となりました。ただ、年内入試(公募推薦)での学力試験は関西圏では近畿大学をはじめとして多くの大学で実施しており、その動向が注目されたのですが、若干の変更はあるものの昨年とほぼ同様に実施されるようです。正式な内容は9月に発行される入試要項での確認が必要です。

また、看護学部にも注目が集まります。以前の泉ケ丘プールの跡地に近畿大学付属病院が移転するのですが、それに合わせて同敷地内に看護学部が新設されます。近畿大学が各高校に依頼して実施された調査結果を見ると、近畿大学看護学部を第一志望とする受験生が募集定員を大幅に上回ることが予想され、看護学部の人気・注目の高さがうかがえます。

説明会でも話されていましたが、近畿大学のイメージ・学力レベルは親世代の頃とはまったく異なります。男子学生が多い、関関同立よりもレベルがかなり低い、ということはまったくありません。最近では、近畿大学を第一志望とする高校生がかなり増えてきました。一方で、レベルの高い高校であっても、進学指導が十分にできていない高校の場合、近畿大学を受験する生徒が多いにもかかわらず、公募推薦で合格者が数人しか出せないこともあります。大阪府内にある比較的レベル高めの高校の進学実績を判断するときの一つの目安が、近畿大学の実合格者数と進学者数になります。
高校入試で大切なこと②私立高校に合格する方法(2025/6/6)
今回は大阪府下独自の高校入試システムに関するお話です。

大阪府の高校入試は、2月10日実施の私立高校入試と3月10日頃実施の公立高校一般入試に分かれています。私立高校を第一志望とする場合は、2月10日の私立入試で合否が決定します。公立高校を第一志望とする場合は2月に私立高校を併願で受験したあと、3月の公立入試で合否が決定します。

つまり大阪府の場合、ほぼすべての受験生が私立高校を受験します。

では、私立高校に合格するためにはどうすればよいのでしょう?

普通に考えれば、①学力をつけ、②過去問で練習し、③入試で合格点をクリアして合格する、だと思います。
大学入試の場合、これが普通なのですが、大阪の私立高校入試の場合、これが普通ではありません。

これまで大阪府の私立高校を受験者した生徒のうち、不合格となった生徒の人数はどれくらいいると思われるでしょうか。仮に1学年120人規模の中学校があるとして、その中で私立高校を受験する生徒が110人程度、そのうち不合格となる生徒は1人か2人です。しかもその不合格は中学校の先生の予想どおりの不合格なのです。

大学入試と違い、大阪府の私立高校入試は1回しか入試日がなく、すべての私立高校が同じ日に入試を実施します。つまり1人の生徒に与えられたチャンスは1回しかないのです。にもかかわらず、不合格者がほとんど出ない。なぜでしょう。

大阪府の場合、私立高校受験の前に中学校と私立高校が事前に相談する制度があります。
中学校の先生が、1月上旬に各私立高校と連絡を取り、受験を希望する生徒の『成績』を照会し、合格の可能性を確認するのです。で、ここで「大丈夫」となれば合格、ここで「無理」となれば不合格となるのです。この判断はその日のうちに保護者の方に伝えられ、合格できる志望校への受験変更を求められます。結果として不合格者がほぼ出ないのです。

そして、この時に照会される『成績』が①中学校実施の実力テストの点数、②2学期通知表の仮評定、③定期テストの点数になります。中でも、特に重視されるのが①の実力テストです。

堺市内の一般的な中学校の場合、実力テストは年に3回実施されます。9月、11月、1月です。さらにここ最近の庭代台中学校のように6月にもう1回実施する中学校もあります。で、事前の相談で判断材料となるのが『9月と11月の実力テスト』になります。この点数ですべてが決まります。

『私立○○高校に合格するためには、堺市立△△中学校の場合、実力テストで□□点必要』という具合です。

ちなみに、この点数ですが、原則非公表です。ただ、最近の中学校の担任の先生の中には懇談の場で話される先生もわりといらっしゃいます。ただし、たまに間違った点数(昨年度の点数、前任校での点数など)を話される担任の先生もいらっしゃるので注意が必要です。

というわけで、結論です。

『行きたい私立高校に合格するためには、9月・11月の実力テストで基準点をクリアすること。』

9月の実力テストで結果が出せなければ、希望する私立高校を受験することすらできません。

ちなみに、文理には私立高校合格をより確実なものにするための独自の進路指導システムがあります。

(今回の記事はいちばん多くの生徒がたどるケースを紹介したものであって、このほかに就職・スポーツ推薦・他府県入試など様々なケースが存在します)

文理の定期テスト対策①1学期期末テスト2週間前(2025/6/5)
庭代台中学校では6月18日~20日に1学期期末テストが行われます。
今年も1学期中間テストが実施されませんでしたので、これが今年度最初の定期テストになります。

昨日6月4日でテスト2週間前に入りましたので、文理では定期テスト対策を本格的に開始しました。

一般的な学習塾の場合、中学生であれば1教科につき2種類の教材を持たせるところが多いです。
一つは授業で使用する「メイン教材」、もう一つは演習用に使用する「持たせ教材」。
この「持たせ教材」はたいていの場合、教科書準拠の教材とし、定期試験前に各自が家庭学習としてすすめていくことになります。対策授業を実施できる塾であれば、その中から一般的に出題されやすい問題を選んで解説したりもします。

文理の定期テスト対策も表向きはそのように見えると思うのですが、その裏では多くの戦略を張り巡らせています。

文理ではテスト2週間前から、定期テスト対策用のテキストを使用して授業を行いますが、その内容は他塾とは大きく異なります。今回は、文理に多く通っている庭代台中学校を例に対策授業の内容をご紹介します。

例えば、今回の庭代台中学校の1学期期末テスト対策では次のようなことを考えています。

中3社会
今年から、思考力を問う非常に良い問題を出題される先生が1クラスだけ担当されることとなりました。しかも、授業プリントもその先生が作成されたものを全クラスで使用しているようです。おそらく1学期期末テストの問題はその先生の影響が大きく出てくることになります。そうなると、対策としては、昨年のような用語の暗記だけでは不十分で、思考力の養成と演習が必要となり、生徒たちが独力では乗り越えにくい箇所を中心に対策授業を実施していきます。

中2数学
昨年に引き続き中2数学を担当されている先生は日ごろから非常に丁寧かつわかりやすい解説をされる先生で、数学の苦手な生徒たちからはとても評判の良い先生です。でも点数が取れない。文理はそこを中心に指導します。わかりやすい授業は往々にして子どもたちをわかった気にさせてしまうもので、その先生の指導にはそういう面が多々見受けられます。己に厳しい生徒は、学校の授業の直後に演習を重ね、自分のものにしていくのですが、それができる生徒はなかなかいません。文理の場合、その学年の生徒の指導では演習に工夫を凝らします。一人ひとりの生徒に合わせて、特にその生徒がミスをしやすい(わかった気になっているが実はわかっていない)問題を中心に指導していきます。たとえ正解していたとしても途中式に問題がないかまでチェックします。子どもたちの目には「問題をやらされているだけ」と映ってしまうかもしれませんが、裏ではそういう戦略を働かせています。

中1英語
今年の中1の英語を担当される先生は生徒たちの将来の英語力を担うことのできる素晴らしい先生です。今、中1英語の進度は遅いです。内容は丁寧すぎて「そんなことまで必要あるの?」というところまで指導されています。「今」だけを見て、塾によっては「庭中遅いなあ」とか、「今時そんな細かいこといらん」とか批判しているところもあるようです。英検の上位級を小学校で合格し自分の英語力を勘違いしている生徒がなめてかかっているケースもあります。大きな間違いです。この先生に3年間きちんとついていけば、高校入試で結果が出るのはもちろんのこと、高校入学後、その良さを実感することになります。大学入試のころには、今、指導されている内容の本当の意味に気づくことになるはずです。で、そういう先生が作る1学期期末テストです。市販の問題集や塾教材にあるような教科書の表面上の理解では不十分です。満点を狙うのであれば丸暗記だけで乗り越えることは難しいでしょう。文理では中学校での授業内容を完全に把握し、そのすべてを敷衍するような対策授業を行います。

今回はこれだけですが、こういうことを全学年全教科で考えています。
他の中学校や私立中学校の場合も同様です。
もちろん、こんな長々とした説明を生徒たちに話すことはほとんどありません。あっても雑談レベルで短く話す程度です。

でも、これが文理の生徒たちに定期テストで高得点をとってもらうための当たり前の指導です。

文理の国語②(2025/6/4)
前回の続きです。

問題です。
A 「この本はぶ厚い。そして難しい。」
B 「この本はぶ厚い。しかも難しい。」
このAとBの2つの文、何が違うのでしょう。

前回、文理の国語では『文章解析』を指導するということを紹介しました。
ただ、この『文章解析』にも2つの切り口があります。
ひとつは、AとBの文でいうと、「そして」と「しかも」という語句に着目し、その違いから考える方法。
もうひとつは、前後の文脈から判断し、各文の位置づけから考える方法。
前者が国語学からの視点、後者が論理学からの視点になります。
実際に問題を解くときには両方の視点を駆使するのですが、大学入試向けの参考書や高校の先生などはいずれかの視点に力点を置いて指導をされるケースが多いです。
大阪府の公立高校入試であれば、論理学からの視点で答えの根拠を見つけられるように問題が作られているのですが、記述の解答を作成するときに国語学の視点を考慮させるケースが多いです(とくにC問題)。
(小説(物語文)はどうするの?と思われたかもしれませんが、ここ数年、大阪府の公立高校入試で純粋な文学的文章である小説が出題されたことはありません。)

ここで問題の解答です。
接続詞の分類として「そして」は『付加』、「しかも」は『累加』となります。
「そして」がクセのない接続詞として単に説明を付け加えているだけである一方、「しかも」は前文の内容から導かれる帰結(「ぶ厚い」から「読みたくない」など)を援護する働き(「難しい」からますます「読みたくない」など)をします。結果として、Bの場合にはその先の文脈に「何か」があるはずで、それが国語の場合、出題者の手によって問題の材料となり、さまざまな問題が作られていくことになります。

これでも「国語の問題なんて日本語の文章だから読めばわかる」といえるでしょうか?

ちなみにこれを「読書」で解決できると思われる方がいらっしゃいますが、無理です。
もちろん「読書」はとんでもなく大切です(くわしくは「子どもに本を読ませる方法」をご覧ください)。
しかし、どれだけ本を読んでも「国語の問題を解く力」はつきません。
そのために必要なのが、文理が教える『文章解析』なのです。

次回に続きます。
文理の数学・算数②(2025/6/3)
前回の続きです。

問題です。
10%の食塩水を100gつくります。
必要な食塩と水の質量はそれぞれいくらでしょう。

前回、この問題の教え方として、『円を書いて、その中に「く」(比べられる量)、「も」(もとにする量)、「わ」(割合)と書いて、問題文に与えられた数字を当てはめる』という一例をお話しして、その教え方の問題点を指摘しました。
なぜ問題なのでしょう。

この問題の場合、どの生徒も10%=0.1が割合ということは一応理解します。問題は100gの扱いです。
ここで機械的な対応に慣れた生徒は1つの賭けに出ます。
この100gを「比べられる量」か「もとにする量」のどちらかに当てはめて試してみます。…①
「比べられる量」を100gとすると100÷0.1=1000、「もとにする量」を100gとすると100×0.1=10。
食塩10g、水100g/食塩10g、水1000g……、10と100と1000をもとにいろいろな答えが出ます。
たいていの生徒が理屈に合わない数字を書いて間違えます。
しかし勘のいい子どもは、さらに次の2つのことを推測して答えにたどり着きます。
100gの食塩水で1000gはあり得ない。…②
食塩水は食塩と水でできていて、食塩水を作るときは食塩よりも水の方が多い。…③
だから10gは食塩、残りの90gが水。
もちろん正解です。ここにたどり着くまでに挫折する生徒は多くいますので、これができる子どもは優秀だといえるかもしれません。
さらに、保護者の方の中にも、このようにして考えられた方がおられるかもしれません。解けさえすればいいのであればこれで十分です。
しかし、教える側がこれに甘んじては絶対にダメです。子どもの論理的思考力が破壊されます。
1つ1つ考えてみましょう。
まず①。どちらかに当てはめてみるという考えを認めてはいけません。今回のように候補が2つであれば乗り越えられるのですが、数学では候補が複数ある問題がたくさんあります。こういう当てはめを駆使する解き方に慣れてしまった生徒は文章問題の式を作るところでたいてい苦労します。
次に②。確かに100gの食塩水をつくるのに、水も食塩も1000gなんてことは常識的にあり得ません。しかし、この常識は「整数の世界」だから判断しやすいのです。これが小数になり、分数になり、文字になるとお手上げです。
『x%の食塩水をygつくります。必要な食塩と水の質量はそれぞれいくらでしょう。』という中学1年生で解けるはずの問題で挫折します。
さらに③。大人からすれば当たり前のことのように思えるのですが、実はこのことを理解できない子どもが結構います。小学生にかぎらず中学生や高校生でもいます。

保護者の方から、「うちの子どもは数学のこんな問題も解けないんです」ということをお聞きすることがあります。
さらに、「家でも私(=保護者)が教えるのですがなかなかできないんです」ということをお聞きすることもあります。
もちろん、子ども自身の努力不足、練習不足という面もあるかもしれません。しかし、もしかすると子どもの数学の成績が伸びない原因はその『教えられ方』にあるのかもしれません。子どもたちの周りにいる「できる友だち」や「できる大人」の間違った教え方がその子どもの「数学力」を破壊しているのかもしれません。

子どもにものを教えるときに、教師が知っている『10のこと』を子どもたちに『10すべて』伝えるようでは教師として失格です。教える側に立つのであれば、教師自身が必要な範囲を超えた『100のこと』を知り、それをもとにして子どもに必要な『10のこと』を教えて、テストの点数や成績につなげていくことが肝要です。文理ではそういう指導を心がけています。

次回に続きます。
文理の英語②(2025/6/2)
前回の続きです。

問題です。
「象は鼻が長い。」
これを英語であらわしてください。

いろいろな教え方が考えられます。
文理学院の場合、この問題に取り組む前に「英語の1つのきまり」を徹底的に教えています。
『英語の文は必ず1つの動詞とそれに対応する1つの主語からできている』
実際は、もう少しやわらかい言い方で説明し、言葉の説明による表面的な理解ではなく、実例を挙げて潜在意識にしみこませるような指導をしています。

この文の場合、英語で表すときの主語は何でしょう。
子どもたちからは2つの答えが返ってきます。「象」と「鼻」です。
とりあえずの結論としてはどちらも正解です。

では、それぞれの述語は何でしょう。
「鼻」と答えた子は「長い」と答えます。では、『「象」をどうするか?』と考えさせます。
ここで正解に気づく子が約半数、残りの半数の子には助け舟を出します。『象は何の修飾語になれる?』
これでほぼすべての子が正解します。答えは「象の鼻」です。
つまり「象の鼻は長い」という文が書けると気づきます。
で、Elephant’s nose is long.という文が完成します。
名詞にはaをつけるか複数形にしなければならないことを伝え、とりあえずは
Elephants’ noses are long.…①
とするように指導します。

一方、「象」と答えた子はここで行き詰ります。そこで助け舟。
『「鼻が長い」から「が」を消すにはどうすればいい?』
「鼻長い」という語を経由してほとんどの子が「長い鼻」にたどり着きます。
で、あわてんぼうな子は、『できた!』と言って自信をもって答えてくれます。
Elephant is long nose.
ここでbe動詞の説明(復習)をきちんとして、誤りに気づかせます(この英文では象が鼻そのものになります)。
で、このために必要な『動詞探し』の始まりです。勘のいい子は気づくのですが、そうでない子には助け舟。
『象は長い鼻を○○。○○に入る英語の動詞は?』
正解はhaveですが、ここでhaveの説明をきちんとして、「持っている」以外の意味でhaveを使う場面を覚えてもらいます。
で、Elephant have long nose.という文が完成します。
3単現のsの誤りを指摘しつつ、名詞にはaをつけるか複数形にしなければならないことを伝え、とりあえずはElephants have long noses.…②
とするように指導します。

こんなごちゃごちゃと難しいことを教えるの?と思われたかもしれません。
もちろん、教え方に工夫を施し、楽しくわかりやすく教えます。でも、この内容を教えるのが文理の英語です。

最近、学び方を間違えて英検準2級まで取得してしまった小・中学生の多くが、前回の記事のようなElephant is nose is long.などという文を平気で書いて、英検2級に合格できずにいます。
残念なことに、子ども自身はその間違いの理由がわからないので、なおしようがありません。
さらに不幸なことに、力のない指導者はとにかく丸暗記させようとします。そして不合格の理由を「子どもの努力不足」とし、責任を逃れます。それを真に受けた保護者の方は、その指導者の言うとおりに必要以上の努力を子どもに強制し、子どもたちは潜在的に英語嫌いになります。しばらくは英検準2級程度の余力で中学校の定期テストでは満点が取れて英語はできると思っているのですが、それまでです。上位の高校に入学すると、英語の成績がどんどん下がっていくのですが、小・中学校時代の英検合格のプライドが邪魔をして、高校の先生から教わる大学入試で必要な英語力を身につける努力から逃げていきます。結果、大学入試で落ちます。

今、高校・大学の先生の多くは、子どもたちが高校入学以前に取得した英検2級以上の英語力に不信感を持っています。「努力は認めるがその子に英語力はない」と豪語する高校の先生さえいます。

長くなりましたので、次回に続けます。

ちなみに「象は鼻が長い」の答えですが、①の英文も②の英文も不正解です。
そして、英語力をつけて英検に合格する本当の方法(「文理の英検指導」)は項目をあらためてお伝えします。
子どもに本を読ませる方法①小学生の場合(2025/5/30)
よく「読書が大切」と言われます。その通りです。間違いありません。
一方で、保護者の方からは「うちの子は本を読まないんです」という相談を受けることもあります。
今回は、「子どもに本を読ませる方法」を小学生の保護者の方向けにご紹介したいと思います。

まず、保護者は真面目に真剣に考えすぎてはいけません。
「名作を読ませよう」なんて考えるのはもってのほかです。
読書が好きになれば、本人が勝手に読むようになります。

次に、保護者が選んではいけません。
保護者の好みを押し付けるなんてもってのほかです。
学校の先生や書店員、図書館司書がお勧めする本もダメです。

では、どういう本を読ませるのか。

まずは、子どもと本屋さんに行きましょう。できれば泉ケ丘の紀伊国屋書店ぐらいの中規模の本屋さんがいいです。
そこで、子どもに本を2冊選ばせるのです。
1冊は絵本でも漫画でもいいです。とにかく読みたい本。
もう1冊は活字だけの本。挿絵はほんの少し。何に興味を引かれてもいいので読みたいと思った本。
この2冊を買い与えてください。
特に大切なのは活字だけの本です。できれば最初は薄めの本がいいです。
大人から見てどれだけくだらない本でも構いません。子どもが読みたいと思う気持ちが最優先です。
子どもが活字に触れる機会を最大限に尊重しましょう。
で、家に帰ってからすぐに活字の本を先に与えます。絵本や漫画はその次です。
2冊とも読み切ることができれば、これを繰り返します。
ただし、読み切れなくても決して叱らないことです。その本は寝かせておいて、もう一度選ばせてあげてください。
たいていの場合、3度目までには自分に合う本に巡り合うことができます。

いくつかアドバイスです。

1つ目、お金がかかって困る!
すみません。お金がかかっても最初の2、3回は買い与えてください。
自分の本に対する「愛着」と「独占欲」が本好きの気持ちを加速させます。
ただ、「本って楽しいよね」と子どもが少しでも思った段階で、今度は堺市立中央図書館や大阪府立図書館のような大きな図書館に連れて行ってあげてください。小さな分室や学校の図書室ではダメです。
本の多さに圧倒されつつもワクワクします。その感動が大切です。
その時もポイントは常に2冊与えることです。漫画と活字。
その先は手短な図書館や学校の図書室で大丈夫です。おそらく子どもが勝手に探し始めます。
そして、どうしても自分のものにしたい本は子どもがお小遣いで買い始めます。
さらに、誕生日プレゼントには、任天堂スイッチ2よりも、大好きな本を欲しがるかもしれません。

2つ目、漫画を読ませて漫画オタクになったらどうしてくれるの!
なるかもしれません。ただ、このやり方をすると活字の良さを認識しています。
こういう読み方を重ねると、本を読むスピードが加速しています。
そうすると、1冊30分程度で読んでしまえる簡単な漫画に物足りなさを感じ、1冊2~3時間かけて読み切る活字の方に魅力を感じていきます。好きな漫画だけは読み続けるのですが、量は減ります。

でも、そこまでしてなぜ「読書」なのでしょう。
「なぜ大切か」「どれほど大切か」ということは、次回に続きます。
高校入試で大切なこと①(2025/5/29)
学習塾が果たすべき役割は3つあります。
①学習内容の指導
②学習姿勢の指導
③進路指導

勉強が大好きで自己管理ができる子は①さえあれば十分で、
勉強が大嫌いで学校の宿題さえしない子は②が必要となります。
そして、
規模の大きい大手塾は①を中心に指導し、
規模の小さな個人塾は②を中心に指導しています。
で、文理の場合、この①と②を両輪として同時に追いかけるという、少し欲張った考えを持っています。

では、高校入試の進路指導はどうなるでしょう。
規模の大きい大手塾は、①の教科指導の担当と③の進路指導の担当が別々です。
大人数を集めているのでデータは豊富にあるのですが、数字でしか進路指導ができません。
無難な線を追いかけるのではずすことはないのですが、本来の可能性の芽を摘むことが非常に多いです。
規模の小さい個人塾は、③の進路指導の情報が乏しく、アドバイス程度しかできません。
で、文理の場合、子どもたち一人一人を見ます。
成績はもちろん、勉強に対する姿勢・考え方、日常とテスト直前の学習環境、性格や人格まで。
これに、大阪府下独自の高校入試システムを加味します(中学実力テストの活用法・過去問の扱い方など)。
中学3年生には2月私立入試と3月公立入試に向けて、合格までの最適なプランを提示し、指導します。

子どもたちや保護者の方から、いろいろなお話を聞きます。
その中には、「他の塾に通う友だちのこと」、もあります。
①の学習内容や②の学習姿勢の指導に関しては、それぞれの塾が崇高な理想と確固たる信念をもって指導されているので、納得できることも多く、ときには感心することさえあります。
その反面、③の進路指導に関しては、「もしその子が文理に来てくれていればなあ」と思うことがあります。
特にこの数年でそういうケースが増えたように感じています。

具体的な高校入試の進路指導の内容は、次回に続きます。
文理の国語①(2025/5/28)
問題です。
A「この本はぶ厚い。そして難しい。」
B「この本はぶ厚い。しかも難しい。」
このAとBの2つの文、何が違うのでしょう。

よく、「国語の問題なんて日本語の文章だから読めばわかる」という人がいます。
子どもだけでなく、大人の中にもこういう考えを持つ人がいます。
挙句の果てには、「だから国語の勉強なんて必要ない、無駄」という暴論さえ飛び出してくる始末です。
どうにも国語という教科は分が悪いです。

最初に挙げた問題に戻ります。
日本語の文章ですが、この違いを明快に説明できる人はそれほど多くないと思います。
ただ、「そして」と「しかも」という接続語が変わることで、「何か違う」とは感じられるかと思います。
こういう違いを、国語の問題の出題者は見逃しません。
これが出題の糸口となり、テストの問題になり、点数化され、成績や入試の合否が決められる。
それらに対応するために養わなければならないのが「国語力」です。

国語の授業で教えることは、文章に書かれている知識ではなく、文章の捉え方です。
国語の問題の出題者が考えるとおりに『文章構造』を把握することが「国語の勉強」です。
文理の国語では、それを『文章解析』という方法で指導しています。

次回に続きます。
文理の数学・算数①(2025/5/27)
問題です。
10%の食塩水を100gつくります。
必要な食塩と水の質量はそれぞれいくらでしょう。

小学生で習う割合の問題です。
実はこの問題、数年前に中学3年生対象の全国学力テストで出題された問題なのですが、およそ半数の生徒が間違えたという結果が出ています。
で、ある大学の就職活動を指揮する大学教授が就職適性検査の対策として大学生にほぼ同じ問題を出題したところ、かなり多くの大学生が間違えたそうです。
何が問題だったのでしょう?
「勉強しなかった子どもが悪い」というにしてはできない生徒が多すぎます。

問題は教える側にあるのです。
割合を教えるとき、『円を書いて、その中に「く」(比べられる量)、「も」(もとにする量)、「わ」(割合)と書いて、問題文に与えられた数字を当てはめましょう』と指導する先生がいます。速さの問題の「み」(道のり)、「は」(速さ)、「じ」(時間)もこれと同じタイプです。
間違いではありません。文理でも教えます。ただ問題なのは教えるタイミングと教え方なのです。
割合の単元を教えるとき、最初からこれを教えてはダメなのです。子どもの思考力を破壊します。
確かに教える側は楽です。機械的作業に昇華できるのでわかった気にさせられます。
教えられる子どもたちも、こういうやり方を習うと「わかりやすい!」「すごい!」と勘違いするのです。

数学の教師はだれでも「わかりやすい授業」ができます。
しかし、その「わかりやすい授業」が教師の独りよがりな自己満足として行われるとき、子どもたちの思考力は破壊されます。そして、不幸にもこういう指導が積み重なると、子ども自身はどれだけ頑張っても、本当の「数学力」がつくことはなく、他教科に影響する「論理的思考力」までもが崩壊していくのです。

次回に続きます。
文理の英語①(2025/5/26)
問題です。
「象は鼻が長い。」
これを英語であらわしてください。

普通の中学生(できる小学生)の頭の中を覗いてみましょう。
「象」は英語でelephant、「鼻」は英語でnose、「長い」は英語でlong、英単語は知ってる…
「は・が」はbe動詞、たぶんisでつなぐから…
できた!
Elephant is nose is long.

間違いです。
英語ができる人は、「こんな間違いをするはずがない」と思われるでしょう。
でも、こういう英語を平気で書く生徒が多くいます。
この英語のツッコミどころはたくさんあるのですが、何をいちばん拙いと捉えるかで指導方針が決まります。
文理学院の場合、まずはisの話から指導を始めます。英文の構造の話です。
主語と動詞をきちんと理解することから学習をスタートさせます。
『この場合、英文になおすとすれば、主語は何になるでしょう?…』
と、授業をすすめていくことになります。

英語と日本語はそもそも言語の構造が異なります。
だから英語を学習するときには、初期の段階から日常的に『英文構造』を意識しなければなりません。
そのために必要なのが英文の『構造分析』です。そして、これが文理の英語指導の要(かなめ)となります。

次回に続きます。

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